2012.06.04
本日の部分月食、6日は金星の太陽面通過そして、先日の金環日食お話
本日、6月4日は部分月食が起こります。
夕方、18時45分頃東南の方向から昇る月が、徐々に欠け始め20時3分頃に最大30%程かける月食が観測できます。
さらに、6月6日の金星の太陽面通過。
朝の午前7時過から昼の1時30分までにかけて太陽の前を金星が横切ります。
肉眼では金星は小さい点ですが、先日使った日食グラスでもなんとか見えるかも知れません。
本格的に観測したい方は望遠鏡に太陽投影板など利用して観測してください。
<近日中の天体ショーの詳しいリンク>
・「特集」2012年6月4日 部分日食(AstroArts)
http://www.astroarts.co.jp/special/20120604lunar_eclipse/index-j.shtml
・金星の太陽面通過(国立天文台)
http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20120606-venus-tr/location/index.html
【5月21日の金環日食の観測】
5月21日の金環日食を観測するために、約20年ぶりに東京に行ってきました。
金環日食としては国内25年ぶりです。
前回は、1987年9月23日の昼前後にかけて
沖縄県うるま市付近を横断する金環日食でした。
金環日食とは、月が太陽を隠し切れずに太陽の輪郭がリング状なるものを言います。
これが完全に隠れると皆既日食となり、辺りが昼なのに真っ暗になるのが特徴です。
そして、太陽の一部が欠ける状態の日食を部分日食と言います。
今回、東京まで行って金環日食をみたいと思ったのは、
1981年7月31日、当時小学4年生だった夏休みの昼過ぎに、
自宅ベランダからみた日食がきっかけでした。
私が幼少期に見た日食は、部分日食でしたが太陽が欠けていく様を観測し、
周囲が夕方の様に暗くなっていく様が神秘的だったのを覚えています。
その時、プラ板越しにフィルムカメラで何枚か撮影しました。
写真に映ったオレンジ色の小さく欠けた太陽の写真はその後のいい想い出でした。
しかし、今回の震災で何もかも失い記憶だけになってしまいました…
ですが今回、また写真が撮れるチャンスが到来したので、新しく想い出を作るためにも東京まで出向いたのでした。
金環日食が起こる前日、深夜バスに乗り上京しました。
21日早朝、バスの窓から、何度か空を眺めて見るものの、
太陽の方向は厚い雲、そして空全体は薄曇り、空を見るたびに不安で一杯の旅路となりました。
不安の中バスは目的地に到着したのですが、渋谷の道玄坂から見た太陽の強い日差しに安堵しました。
観測する場所は、東京に住んでいる知人にお願いし、
連れて行って頂いた場所は、空が開けた代々木野外音楽堂そばの歩道橋の上でした。
東京の食の始めは6時19分。
観測に使うために用意したのは、スマートフォンと日食グラス、
そして予備のデジタルカメラの最小限の装備でした。
天候はくもりで絶好のチャンスと言えませんでしたが、
所々太陽が見えるタイミングもあり、日食グラス越しにスマートフォンで撮影を開始。
7時34分に近づくにつれ輝度が減って暗くなり、スマートフォンでの撮影は難しくなってきました。
日食グラス越しの撮影では暗すぎ、
直接の撮影では雲を通してもリングを撮影するには明るすぎる状態です。
食の最大は迫っています。
そこで、気づいたのは、予備に持っていった普通のデジタルカメラでした。
辺りは食に近いせいか気温も低く暗くなっている感じ。
デジタルカメラ越しに1度撮影し、写真の明るさを確かめ、
次に露出を目一杯下げて撮影しました。
目一杯にしても直射日光では明るすぎる状態ではありましたが
天候が曇だった為、運良く金環日蝕のリングを撮影することができました。
今回は運任せの部分が強かったのですが、
次回チャンスがあるのなら万全の準備で撮影したいと思います。
●近年国内で観測できる、金環日食と皆既日食は!
・2030年6月1日:北海道の美唄市から帯広かけて金環日食が見られます。
・2035年9月2日:長野県から千葉から茨木県にかけて皆既日食が見られます。
【余談ですが、翌日東京スカイツリーのオープンも見てきました。】
金環日食の翌日、22日の天候は一転して一日中雨。
電車を乗り継ぎ、雨の中葛飾区から徒歩で東京スカイツリーに向かいます。
隅田川付近からの撮影は絶好のアグルで撮影することができました。
その後、タワーに近づくにつれ、
巨大タワーは、フレームから常に外れる写真になってしまいました。
タワーに着くとは、下は異様な混雑でした。(状況を知ったのは翌日のニュースでした。)
混雑のため建物には中には入らず、
真下を通過した時に丁度点灯式の瞬間だったので撮影しました。
瞬間は、塔の中心部が水色に明るく光り綺麗なコントラストでした。
一旦電球色で暗くなり、紫色の状態を繰り返す状態でした。
技術担当:鈴木