女川さいがいエフエム 79.3MHz:臨時災害放送局

「女川の町に正しい情報と元気を届ける放送を がんばっぺ女川」を合言葉に、毎日放送を行っています。

2013.06.09

ドラマ「ラジオ」をご覧になった皆さんへ

ドラマ「ラジオ」をご覧になった皆さんへ

私達、女川さいがいFMと、そこで起きたエピソードを元に
脚本家・一色伸幸さんがまとめてくださったもう一つの女川さいがいFMの物語
それがNHK総合テレビで放送された特集ドラマ「ラジオ」です。

放送日(初回)2013年3月26日22時〜 NHK総合テレビ(73分)
       2013年10月12日14時〜NHKBSプレミアム(89分版)

2013年3月の初回放送以来、大変多くの反響を
私達、実在の女川さいがいFMにもいただいており、嬉しく思っています。

おかげさまで文化庁芸術祭大賞・第50回ギャラクシー賞・優秀賞をはじめ、
テレビの世界の様々な賞などもいただき、
これまで総合テレビ、BSなどで繰り返し再放送していただきました。

また2014年3月にはブルーレイ、DVDも発売となります。
詳しくは→ブルーレイ、DVD情報ページへ

そして、なによりありがたいのは、このドラマをきっかけとして
実際の女川町に会いに来て下さる方が大勢いらっしゃいます。

毎日のようにさいがいFMにも見学にきてくださる方がいらっしゃいますし、
実際の女川町の様子を見て、改めてドラマの中で交わされた言葉が
ただのお芝居のための台詞ではなく、
実際にここで生きている私達の想いであることを感じていただけているようです。

これからもたくさんの人にそしてドラマを通して、
東北の、三陸沿岸部に生きている人々の想いが広がっていくことを願ってやみません。

※以下、ドラマ放送当時の情報になります。
アーカイブとして公開しておきますので参考になさってください。

1.ドラマ制作の経緯

2.ドラマのあらすじ

3.ドラマ登場人物相関図

4.某ちゃんからご覧頂いた皆様へのメッセージ

5.ドラマロケ地ガイド

6.ドラマに関するQ&A

7.ドラマ内で使われている音楽について
—————————————————————————–
1.ドラマ制作の経緯

女川さいがいFMは震災直後から宮城県女川町で町民有志により放送を続けている
プレハブ建ての小さな小さなラジオ局です。

実質人口5,000人台まで減ってしまったこの町の中に、
町内の生活情報などはもちろん、様々な話題を
毎日「おながわ☆なう。」という生放送番組の形で届けています。

基本的にはあくまで町内向け、町民向けの声と音の瓦版みたいなものです。
同時にインターネット同時配信サービス「サイマルラジオ」や
ポッドキャストを通じても全国からこの放送が聴けるようになっています。

震災後、住む場所や家族、仕事を失って東京や仙台など
都会へ引っ越していかざる得なかった人たちや
町出身者はもちろんボランティア活動などを通じて
女川町を応援してくださっている皆さん、

そしてさらにこれまでのマスコミ報道などを通じて女川さいがいFMの存在を知り、
女川さいがいFMを聞くことで女川町と繋がってくださる方も含めて
今はそのサイマルラジオで一日一万以上の人々が聞いてくださっています。

女川町の中を、そして町の外と中を繋ぐ2つの役割を持って
私たちは放送を続けてきました。

そんな活動の姿を開局間もない頃から定期的に記録し、
ドキュメンタリーとして放送してくださっていたのがNHKさんです。

最初は2011年7月のクローズアップ現代で、続いて12年1月に放送された
「がんばっぺラジオ」という番組となり、その「がんばっぺラジオ」をテレビで
偶然見て下さっていた方の中に脚本家・一色伸幸さんがいらっしゃいました。

ツイッターを通した交流を経て、程なくして一色さんが女川町を訪問し、
実際のFMのメンバーと会ったり、実際の町の様子を見て頂いて、
といった交流が生まれました。

また一色さん自身がサイマルラジオを通じた
女川さいがいFMのヘビーリスナーともなってくださっていました。

それから程なくして、
ドラマでも描かれたブログ事件など様々な出来事が・・・

それらのエピソードをリアルタイムに見聞きしていた一色さんは、
あるとき、メンバーの一人某ちゃんの描いたブログの言葉を生かしながら、
それらのエピソードをまとめてドラマにしたいと思い立ち、
メンバーの同意を得て、ドラマ化の企画が動き出しました。

結果、「がんばっぺラジオ」の縁もあって、
NHKで放送されることとなり、
ドキュメンタリーからの蓄積もあってドラマではあるけれど、
限りなくドキュメンタリーに近いという独自のスタイルとなりました。

2.ドラマのあらすじ
震災から10ヶ月。仮設住宅に引きこもる女子高生「某ちゃん」(演・刈谷友衣子)を心配した兄貴分の蒲鉾店四代目・國枝(演・吉田栄作)は、半ば強制的に女川さいがいFMに参加させる。しかし、ほとんど何もしゃべれない、何も伝えられない…。落ち込む彼女に、父親(演・豊原功補)が、「話すのが苦手ならば文字で表現したらいい…」とブログを勧める。彼女は、自分自身の心情を少しずつ綴り始めて行く。
そんな某ちゃんが放送で流したロックミュージックを、ネット配信で耳にしたのは、東京で働く飛松(演・リリー・フランキー)。なぜか心惹かれ…某ちゃんとのメールのやりとりが始まる。さいがいFMの仲間たち(演・安藤サクラ・新井浩文)にも支えられ、某ちゃんは次第に元気を取り戻し、未来に希望を持ち始めていく。
そんな時、瓦礫の受け入れについて書いた某ちゃんのブログが突然炎上する!普段は10人程だった閲覧者が、100万人を超えた!いったい何が起こったのか?…窮地に立たされる某ちゃん…そして仲間たち…
被災地女川で「ブログ」と「ラジオ」を経験し、自分自身を取り戻していく女子高生と仲間たちの物語は、震災を描くドラマではない。「心」の復興を描くドラマである。

3.ドラマの登場人物と相関図

4.某ちゃんからご覧頂いた皆様へのメッセージ

5.ドラマロケ地ガイド
ドラマをきっかけにたくさんの方が女川町を訪れてくださっています。
私たちはいつでもキラッキラの笑顔で皆さんを歓迎します。
ぜひラジオを持って遊びにきてください。
女川町への行き方についてはこちらをご覧下さい。
http://www.town.onagawa.miyagi.jp/03_05_01.html
このドラマは2012年1月下旬から2月上旬にかけて、
復旧工事の進む女川町内各所で撮影されました。
そのため現在では工事の関係で立ち入れなくなっている場所や
姿・形が変わっている場所もあります。あらかじめご了承ください。
ドラマを見て実際に女川町を訪れる方のために
ドラマのロケ地となった町内の場所をご案内します。


↑ドラマ終盤の撮影風景(希望の鐘商店街バス停)

実際に廻られる場合は
女川町観光協会のホームページにある地図を
参考にしてみてください。
http://www.onagawa.org/pdf/saikai_chizu_2012_002.pdf
下記の動画では、女川のローカルヒーロー「リアスの戦士 イーガー」が
女川町内のスポットを案内しています。よろしければぜひご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=r96Ssx5-kOI

1.某ちゃんが住んでいる仮設住宅

町内の小乗浜仮設住宅で撮影されました。
(一般の方の住居ですので、無許可での撮影・立ち入りは絶対におやめください。)

2.國重次期社長率いる蒲鉾会社「海政」販売店及び工場

蒲鉾本舗高政「万石の里」店舗内及び工場で撮影されました。
http://www.takamasa.net/mangoku.php
國重次期社長(吉田さん)が絶賛のチーズ(淡雪チーズ)と玉ねぎ(ぷちあげ・たまねぎ)の蒲鉾も実際にお買い求めいただけます。

予約すれば工場見学も可能です。

3.女川さいがいFM仮設スタジオ



宮ヶ崎地区の電力アパート横の広場内に撮影用のセットを建てて撮影されました。
(上記は撮影用のセットで、すでに取り壊されており、現存しません)

モデルとなった本物の女川さいがいFMスタジオは女川町地域医療センター入り口横にあり、
平日は月〜金曜、と日曜日の昼に生放送を行っており、その時間帯であれば見学可能です。

↑現存する本物

4.某ちゃんの家のあった場所

尾浦地区で撮影されました。

5.某ちゃんが歩く坂道
女川一中、二小、役場仮庁舎前から元のJR女川駅のあった方向へ続く坂道です。
(2014年1月現在は通行不能になっています。)

6.某ちゃん、飛松が立つガレキ処理場

清水地区にある瓦礫の一次選別場です。
(2013年夏に瓦礫処理が終わり、処理場ではない、
区画整理を待つ土地へ戻りました。)

7.ユキ、絵美がラーメンを食べている食堂
震災後、プレハブ建てで復活した食堂「ニューこのり」です。
http://www.new-konori.jp/
劇中はラーメンを食べていますが、
穴子天丼や定食などたくさんの美味しいモノがあります。
8.某ちゃんが自転車で走り抜ける商店街/女川から旅立つバス停

女川高校のグラウンド内に作られた「きぼうのかね商店街」です。

なお劇中では「石巻駅」行のバスがここから発着していますが、
実際にはここのバス停は町内巡回バスのみで、石巻行のミヤコーバスは
ここには立ち寄りません。ご注意ください。

ミヤコーバス 女川ー石巻線のダイヤは
女川さいがいFM「交通情報まとめ」ページでご案内しています。
http://saigai.onagawafm.jp/traffic_report

9.某ちゃんがインタビューをするシーン

清水地区の仮設住宅内や仮設住宅の集会所にて撮影されました。
インタビューに答えているのも実際の仮設にお住まいの皆さんです。

10.阿部が全力で走る坂道

きぼうのかね商店街(女川高校グラウンド)へと通ずる坂道(バイパス)です。

11.某ちゃんがラジオで「応援歌」を聞いている階段/
冒頭に登場する震災前の町並みを撮影した場所

女川町地域医療センター裏手、熊野神社へ通ずる参道の階段中腹です。

ここからは女川の中心部(だった場所)が見下ろせます。
実在のFMスタジオもすぐそばにあります。

(2014年夏頃までに区画整理のため解体される予定です。)

12.ラストシーンでバスが渡る橋
石巻市と女川町を結ぶ国道バイパスにある日和大橋という橋です。
橋のたもとに山積みの廃自動車が積み上がっているのが見えますが、
これは津波で流され、処分を待っている自動車たちです。

右手にはこちらも津波被害が酷かった門脇地区が広がっています。
(紅白歌合戦で長渕 剛さんが唄った門脇小学校もこちらにあります。)

実際のミヤコーバス 女川?石巻線はこのルートは通らないのですが、
この日和大橋付近から、女川さいがいFMの電波が届きにくくなることもあり、
撮影用に特別にこの橋を通ってもらいました。

6.ドラマに関するQ&A

Q.このドラマの内容は実話なのですか?
実在する私たち女川さいがいFMの放送内容やコンセプトと
高校生メンバーの一人某ちゃんが綴ったブログの内容を元にして、
数多くのテレビドラマ・映画作品を手がけた脚本家の一色伸幸さんが作った
「もうひとつの女川さいがいFMの物語」です。

従って実際に起こった出来事やメンバーの性格などが取り入れられている箇所もあれば、まったくの創作という箇所もあります。
モデルとなった人ほぼそのままという人もいれば、数人の要素やエピソードが合わさっているという場合もあり、そのため混同を避けるために、登場する人物の人物名などは実際の人物名と変えてあります。

Q.某ちゃんはなぜ某ちゃんなのですか?
劇中でも語られているように、
彼女が中学生のとき、同級生の男の子から突然付けられたあだ名が某ちゃんでした。
どうしてそう名付けられたのか、答えを言ってくれないまま、その男の子はあの3月11日を境に思い出となってしまいました。
なので、今となっては某ちゃんにもその理由はわかりません。

Q.実際にインターネットで放送が聴けるのですか?
女川さいがいFMは女川町内ではFM79.3MHz、
FMラジオ・カーラジオでお聞きいただけますが、
サイマルラジオというサービスを通じて全国からもパソコン及びスマートフォンなどを通じてお聞きいただけます。

詳しくはこちらのページでご案内しています。
http://saigai.onagawafm.jp/simulradio

Q.某ちゃんのブログはどこで読めますか?
残念ながら現在は非公開となっています。が、「本当に受け入れてほしかったモノは」など一部は本人許可の上転載して掲載しているブログがありますのでそちらでお読みいただけます。

本当に受け入れてほしかったモノは
http://www.joqr.co.jp/hodo/2012/04/post-293.html
また「本当に受け入れてほしかったモノは」は書籍「ガレキ」にも転載されています。
「ガレキ」 丸山祐介著 ワニブックス刊
http://www.amazon.co.jp/dp/4847090969/ref=cm_sw_r_tw_dp_9IJwrb1CG5R1G
Q.冒頭に出てきた「女川どうしよう」ステッカーはどこで手にはいりますか?
「女川どうしよう」のステッカーは実際に某ちゃん本人がデザインし、女川町内で販売されています。
一枚1000円で、ドラマの撮影場所にもなった(ドラマ内では「海政」)蒲鉾本舗「高政」万石の里の店内で販売中です。

蒲鉾本舗高政「万石の里」店舗内及び工場
http://www.takamasa.net/mangoku.php
通信販売は行っていませんが、時々、高政の地方デパートなどへの出張販売の際に販売される場合もあります。
女川にこられた際のお土産として入手していただければと思います。

またこのステッカーは、某ちゃんはじめFMメンバーが好きな
北海道テレビ制作のバラエティ番組「水曜どうでしょう」のパロディーとして、
何もなくなった町を見て(これから)「女川どうしよう・・・?」という気持ちを重ねて製作しました。
このステッカーについては、北海道テレビならびに本家「水曜どうでしょう」チームの
ご理解とご協力のもと、復興応援「公認非公式グッズ」として販売しています。

女川、女川さいがいFMと「水曜どうでしょう」の関係については
http://www.htb.co.jp/suidou/onagawa/

7.劇中で使われていた音楽はなんという曲ですか?

ドラマ「ラジオ」の中で使われていた歌は(ドラマ自体のテーマ曲(ピアノ)除く)は
すべて某ちゃん本人が選曲しました。
また劇中のラジオで使われていた番組テーマ曲やBGMは
実際の女川さいがいFMで使用しているものに基づいています。

曲目は次の通りです。

1.負け犬 /THE STALIN

1982年発売のパンクバンド THE STALIN の1’stアルバム「STOP JAP」に収録されています。
漁師をしている某ちゃんの父の青春の一枚で、津波で流された中からCDを見つけてきたというエピソードも実話です。
https://itunes.apple.com/jp/album/stop-jap/id219986766
2.Let’sRock(DANDAN)/ルースターズ

1981年発売のロックバンド ザ・ルースターズの3’rdアルバム「INSANE」に収録されています。

3.満月の夕(ゆうべ) /ソウル・フラワー・ユニオン

1995年の阪神淡路大震災を受け、地元関西のバンドが避難所200か所以上を廻ってライブを行う中から生み出した名曲。
東日本大震災のあとも彼らは東北の被災地を廻ってライブ活動を続け、女川の避難所にも何度も訪れて炊き出しを兼ねたライブで、何度もこの歌を届けてくれました。
解き放て、命で笑え という言葉は某ちゃんだけでなく、女川の人々にも染みたようで、さいがいFMにもよくリクエストがきます。
https://itunes.apple.com/jp/album/man-yueno-xi/id259288453?i=259288619
4.応援歌 /THE イナズマ戦隊

2003年リリースの彼らの最新シングルにして、代表曲のひとつ。
津波で家を失った某ちゃんは、避難所にいる間、手元に残っていたウォークマンでこの歌を電池が切れるまで繰り返し聴いていました。
http://itun.es/i6x98hM
以上が某ちゃんの選曲によるものです。
ここから下は、劇中の「女川さいがいFM」の放送で用いられた曲です。

5.さんぽ /AUNJクラシックオーケストラ

女川さいがいFMの開局以来、毎日放送がつづいている「おながわ☆なう。」のテーマ曲です。
映画「となりのトトロ」オープニング曲「さんぽ」(井上あずみ)のインスト・カバーバージョンを使用しています。
「歩こう歩こう 私は元気…」という歌詞に壊滅状態の町の中で一歩ずつ歩いていこうという意味を重ね合わせています。

いろんなバージョンを使用していますが、この和楽器バージョンは2013年1月まで使われていました。(現在は別バージョンを使用)
「和楽器でジブリ」というアルバムに収録されています。
https://itunes.apple.com/fr/album/he-le-qidejiburi/id302693606
6.口笛吹いて働こう /岩井直溥 指揮

求人情報コーナーのテーマ曲です。「ニュー・サウンズ・イン・ブラス2005」に収録されています。
https://itunes.apple.com/jp/album/new-sounds-in-brass-2005/id392220764
7.恋とマシンガン /フリッパーズギター

1990年発売の2’ndアルバム「カメラトーク」に収録され、シングルとしても発売された彼らの代表曲です。
女川さいがいFMでは番組内に流しているジングルに使用しています。
https://itunes.apple.com/jp/artist/furippazu-gita/id251858685

劇中でのキャッチコピー

「女川町のいまがわかる 女川町限定のラジオ おながわなう!
女川さいがいFMが仮設スタジオからお送りしています。」

は、本物とほぼ同じコピーですが、本物の放送では後半部分が
「仮設スタジオ」→「輝望(きぼう)の丘スタジオ」
になります。

Q.DVD、ブルーレイやノベライズはされていないのですか?
DVD,ブルーレイについてはたくさんのご要望をいただき、NHKエンタープライズさん
から通販限定という形でのリリースが決定しました。

書籍化・ノベライズは今のところ予定はありません。

(最後までお読みいただきありがとうございます。トップへ戻る)

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