臨時災害放送局 「女川さいがいFM」について
女川さいがいFMは、2016年3月末をもって放送を終了します。
くわしくは下記のリンクをご参照ください。
【リンク】女川さいがいFMは、2016年3月末で放送を終了します。
東日本大震災の被災地の一つである宮城県女川町では、2011年4月21日より臨時災害放送局「女川さいがいFM」を開局し、24時間体制での放送を実施しています。
女川町内ではFM79.3MHz、それ以外の全国からはインターネットによる同時放送をパソコンやスマートフォンでお聞きいただけまます。
放送局概要
呼出符号 | JOYZ2AG-FM |
呼出名称 | おながわさいがいエフエム |
免許人 | 宮城県女川町 |
演奏所 | 宮城県牡鹿郡女川町女川浜字大原316 |
送信所 | 宮城県牡鹿郡女川町鷲神浜字内山 |
送信周波数 | 79.3MHz |
送信出力 | 20W |
送信形式 | F3E(FMモノラル放送) |
放送エリア | 宮城県牡鹿郡女川町の一部地域 |
放送内容 | 災害情報/行政情報/町内の生活・雇用情報/道路・交通状況など |
放送時間 | 常時 |
女川さいがいFM設立の経緯
女川町は、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」とそれに伴う津波により、役場の庁舎も冠水するなどの壊滅的被害を受けました。
ライフラインや防災無線も壊滅し、町内には10数カ所に設けられた避難所や、幸いにも損壊を免れた数百世帯の在宅被災者へ町からのお知らせを届ける手段がありませんでした。
そこで、東北及び茨城地区の被災地各所で開設されている臨時災害放送局の仕組みを利用し、町内をカバーするFMラジオ局を開局することとなりました。
震災以降も、台風発生時などは道路が冠水したり、床上浸水も含めた被害が発生しました。女川さいがいFMでは、その都度、被害や避難指示などについての情報を放送するなど、名実ともに臨時災害放送局としての機能も果たしてきました。
女川の町に、みんなが役立つ情報と元気を届ける放送を
2011年11月中旬までに、ぼぼ全ての町民の仮設住宅への引っ越しが完了しましたが、仮設住宅も一部は石巻市内に建設されるなど町内・周辺地域に残された土地に「とりあえず」仮の住まいを設けたに過ぎません。
そのため、その後もラジオをお聞きいただいている町民の皆さんの求めに応じて、当初2か月程度の予定ではじまった放送を数度の延長を経て、継続してきました。
2015年春にはJRの女川駅が再開され、新しいまちづくりもはじまりましたが、いまだ多くの方は仮設暮らしが続いており、避難生活はまだ終わっていないのが現状です。
私たちは分断された町内のコミュニティを情報と会話で繋いでいくラジオ局を目指し、町からのお知らせを放送するだけでなく、現在は町内の店舗・企業などの復興に関する情報、生活情報をはじめ、町民へのインタビューなどを放送したり、小学校の運動会から秋刀魚祭りまで町内のイベントの中継を行うなど様々な取り組みを行っています。
女川町を訪れる人の声も伝えます。
女川さいがいFMでは、災害・生活情報だけでなく、町を訪れているボランティアの方や、タレント・著名人などへのインタビューなども随時放送しています。
開局時には、女川町立総合体育館前にて公開録音という形で、開局記念番組「渡辺謙さんを迎えて」を収録しました。石巻・女川を訪問した俳優 の渡辺 謙さんと女川さいがいFMのメンバーから4人が対談する形で、女川町の再建、未来をテーマに話し合いました。
これまで女川出身のスター・中村雅俊さん、演歌歌手の石川さゆりさん、はるばる沖縄からオレンジレンジの皆さんや倉木麻衣さんなども遊びに来てくれました。
中でも人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」は同世代である高校生たちがアナウンサーとして活躍していることを知り、2013年春にはじめて女川町を訪れて以来、継続的な交流に発展。2015年春の女川町復幸祭では、全国からファン5,000人を集めるコンサートも実現しました。
運営体制につきまして
女川さいがいFMの放送免許は宮城県女川町が保有していますが、日々の運営は任意団体「女川さいがいFM」(代表・松木達徳)が行っています。
この団体は、女川町内の有志と、これを支える県外のボランティアスタッフによって構成されており、メンバーは随時連携をとりあいながら、放送局の運営にかかわるほぼすべての業務を分担し、遂行しています。
また、放送に必要な送信アンテナ・送信機やパソコンなどの機材調達にあたっては、放送機器メーカーの(株)NHKアイテック、まいとう情報通信研究会をはじめ、様々な企業のご協力により、無償で機材の貸し出しや技術協力をいただいています。
女川町で生まれ育った若い世代が放送局を運営
実際に放送を行っているのは、女川町で生まれ育った高校生から40代までのメンバーです。
初期のメンバーは、代表が避難所などで声をかけたり、またツイッターなどネットを通して現地情報を発信していた若者に声をかけ、集まりました。
メンバーの経歴も様々です。
津波前はニートだった者、フリーターをしていたが勤め先が流されてしまったもの、家業を継いで商店を経営していたが店ごと流され無職になってしまった者。
運良く会社が生き残り、町と会社の再建に尽くす水産加工会社役員。
家は流されたが職場は生き残り、塾講師をしながら空いた時間を費やして参加してくれている者、そして高校生など……。
ほぼ全員がラジオ局・放送の仕事は未経験でしたが、津波で何もかもを失ってしまった女川町復興のための第一歩として、町を音でつないでいくこのラジオ局の活動を捉え、毎日、試行錯誤しながら発信しています。
ソーシャルメディアをフル活用し、県外からのボランティアスタッフも運営をサポート
女川町内のコアメンバーを支えるのが、県外からのボランティアスタッフたちです。
本職をもちながら、ソーシャルメディアを通じてつねに女川町内のスタッフと連携。
現地で読み上げる放送用の原稿作成を手伝ったり、必要な物資を送るなどして多岐にわたって活躍しています。
大規模なイベント・中継放送などがあるときは、数名が女川町に出向いてサポートしたり、技術や放送局運営のアドバイス・指導も行っています。
女川さいがいFMに対するお問い合わせ・ご依頼につきまして
女川さいがいFMへのお問い合わせ、取材などのご依頼につきましては、下記広報担当者までご連絡ください。
広報担当: 大嶋(おおしま)・天谷(あまや)
電話:090-6499-6617(代表)
メール:info@onagawafm.jp
FAX:022-774-1474
取材をご希望の際は、
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直接スタジオへ出向いての、いわゆる「アポなし」のご訪問は固くお断りしております。
何卒ご理解を賜れば幸いです。